映画『ChaO』鈴鹿央士&山田杏奈 Wインタビュー

特集インタビュー
2025年08月18日 19時00分

『鉄コン筋クリート』(06年)『海獣の子供』(19年)『映画 えんとつ町のプペル』(20年)など、これまで数々の名作を世に送り出してきたSTUDIO4°Cの最新作『ChaO』が、全国公開中!

『となりのトトロ』『魔女の宅急便』(宮崎駿監督)のラインプロデューサーを務めた田中栄子が主宰するクリエイティブ集団 STUDIO4°C は、ハイクオリティな映像と独特な世界観で世界中に多くのファンを抱えているが、最新作で描かれるのは【種族と文化を超えた恋と奇跡の物語】。オリジナルアニメーションとなる本作では、絵を1枚1枚描く手書きアニメーションにこだわり、圧倒的な作画量と美しい背景美術で、瑞々しくもかわいく人間と人魚の恋模様を描く。

本作の舞台は、人間と人魚が共存する未来社会。船舶をつくる会社で働くサラリーマンのステファンは、ある日突然、人魚王国のお姫さま・チャオに求婚される!! ステファンは訳も分からないまま、チャオと一緒に生活することに!? 純粋で真っすぐなチャオの愛情を受けて、ステファンは少しずつチャオに惹かれていく――。2人の恋の行方はどうなる!?

公開に先んじて、アニメーション映画祭としては世界で最も⻑い歴史を持つ国際映画祭の「アヌシー国際アニメーション映画祭 2025」⻑編コンペティション部門で準グランプリにあたる審査員賞を受賞!さらに北米最大のジャンル映画祭である「ファンタジア国際映画祭」のコンペティション部門にもノミネートが決定!世界からも注目を浴び評価をされている。

今回、本作でサラリーマンのステファンを演じた【鈴鹿央士】と、人魚王国のお姫さま・チャオを演じた【山田杏奈】を直撃!声だけで表現することについて、最初は少し不安な気持ちもあったという2人。収録が始まってみて心境が変化した部分や、演じる上で意識したこと、お互いの声を聞いてみた印象、ステファンとチャオの魅力のほか、ご自身の好きな海の生き物や、SGS読者に向けて注目してほしいシーンについても語ってくれたよ☆
Q.出演が決まった時のお気持ちを教えてください。

鈴鹿央士(以下、鈴鹿):アニメーションの作品に参加させていただくのは3回目なのですが、まさか自分が3回も参加できるとは思っていなくて。普段実写の作品でお芝居している中で、アニメーションはまた違う世界だな、すごい世界だなと感じていて。そこにまた参加できるというワクワク感と同時に、大きい壁にぶつかる感じもあって、頑張ろうと思いました。

最初に企画書を見させていただいて、デザインや世界観が独特だけど美しくて、映像になったらどんな感じだろうなと楽しみで、ワクワクしました。

山田杏奈(以下、山田):私も普段は表情や声、身振り手振りでお芝居をしているのですが、今回は声だけで表現をしなければならなかったので、とても緊張しました。去年吹き替えの仕事をやらせていただいたのですが、またこういう形で声のお仕事をいただいて、何か理由があって私を呼んでくださったと思うので、精一杯演じようと思いました。『ChaO』の世界観にもすごく惹かれるものがあり、できるだけ頑張りたいと思いました。Q.お2人とも少し不安な気持ちもあったそうですが、収録が始まってみていかがでしたか?

山田:私は何度かアフレコの日があったのですが、毎回少し不安でした(笑)。でもいざ始まってみると、監督やスタッフさんから「次はこうやってみようか」という言葉を受けながら、本当にみんなで作っていく感じだったので、いろんなシーンをやるために回数を重ねていくうちに「チャオってこういう子なんだろうな」というのが少しずつ見えてきて。楽しさが出てきました。

鈴鹿:「明日が本番か」みたいな緊張感がすごくあったのですが、本番の2日くらい前に、1日練習の日を設けていただいて。練習していたら「もう録ってしまおう」と言われて、収録が始まってしまいました。監督やプロデューサーさんがすごくノリノリで「いけるいける」と言ってくださったので、すごく楽しくできた感じがあります。やはりテイクを重ねていくごとに、キャラクターの理解度が上がっていって、頭の中で「こういうことかな」と思えるようになっていくのも楽しかったですし、四角いブースの中に入ると「もうやるしかない」という気持ちになりました。

山田:本当にそうですよね(笑)。Q.演じる上で意識したことを教えてください。

鈴鹿:ステファンは、映画の中で変化していくというか、チャオに対する思いだったり、自分の持っているものだったりが、波みたいに動いている人なので、その変化が声の中にあったらいいよね、という話もあって。でもそんなにすんなりできるものではなくて、難しかったです。

Q.大人のステファンと、子どもの頃のステファンで、演じ分けは意識されましたか?

鈴鹿:意識しました。「声を低くしましょう」と言われて。年上の俳優さんで、声の低い方たちのモノマネをしながら、監督とお話しつつ取り組みました。Q.山田さんは擬音を意識して演じたそうですが、詳しいお話があればお伺いしたいです。

山田:とにかくチャオは可愛く見えるようにということで、まず声のトーンを高めにしました。擬音については、台本に書いてあったわけではなく「チャオの可愛さをどうやったら表現できるか」というお話になった時に、監督に「例えば何かを食べている時にチュルンと言ってみるとか、ステファンのことを覗いている時に、チラッと言ってしまおうか」と言われて、「なるほど」と思いました。現場で相談しながらやっていたのですが、全体で繋がったものを観た時に、チャオの無邪気さみたいなものが感じられたと思います。

Q.山田さんの歌唱シーンはいかがでしたか?

山田:最初は歌うという話はなかったのですが、気づいたら歌うことになっていて(笑)。アフレコした時の監督とはまた別のチームで収録したので、チャオとして歌うというよりは、また違うものという感じでやっていました。Q.お2人は今回初対面だったのでしょうか?

鈴鹿:以前、高校の同級生役でご一緒しましたね。

山田:4年前ぐらいにご一緒して。その時私は部活のマネージャー役でした。

Q.今回共演されることになって印象が変わった部分や、お互いの声を聞いてみて、魅力的だと思った部分について教えてください。

鈴鹿:今回収録は別々で、僕が撮っている時には山田さんの声が入っている状態でした。チャオの絵柄の可愛さもありますが、山田さんの声が入った映像を見ると、チャオのチャーミングさとか、守ってあげたくなるような可愛らしさがより強くなって、すごいなと思いました。

山田:私も撮っている時に、ステファンの声が徐々に入ってきていたのですが、央士くんが演じていることで、まっすぐさみたいなものが感じられて、チャオのキャラクターを作るのにすごく助けになりました。

あとは全くお会いしたことのない人の声が入っているというよりは、しっかりお芝居をしたことがある人とやれて、安心しながらできました。撮っている途中でやり取りをしたわけではないのですが、安心感がありました。Q.ステファンとチャオは、キャラクターとしてどんなところが魅力的だと思いましたか?

鈴鹿:2人ともまっすぐで、一途なキャラクターだと思いました。ステファンは抜けている感じはありますが、船やエンジンに対する思いはすごくまっすぐだし、チャオへの思いを一見拒否しているふうに見えますが、だんだんチャオのまっすぐさを受け止めていって、いいなと思っていきます。人間らしさがあるところがいいですね。

山田:チャオはとにかく一途にステファンのことが好きで、愛情を前面に出して表現できるのがすごく素敵だと思います。そんなチャオの思いをむげにしないように、なんだかんだ言いつつも、しっかり向き合うステファンもすごくまっすぐで素敵なキャラクターだと思います。
Q.本作はアヌシー国際アニメーション映画祭2025でコンペティション部門の審査員賞を受賞しました。どんなところが海外の方から評価されたと思いますか?

鈴鹿:スタッフさんから聞いたのですが「いろんな感情をもらいました」という感想があったらしくて。僕らが観ていても、笑って観られるシーンもあれば、キュンキュンするシーンもあり、感動するシーンもあります。2人の物語ではありますが、友情や家族の物語もあり、そういういろんな要素の中で、この作品からたくさんの感情をもらえた、そういうのが伝わったんだなと、そこは嬉しいなと。あとはやはり本作の世界観が海外の人から見ても新鮮で、引き込まれていく魅力があったのかなと思います。

山田:監督が「セリフでの笑いはタブーにしました」と答えていたのですが、確かにそうだなと思って。視覚的に入ってくる情報がすごく多いし、言葉以外の部分で伝わってくる要素もあります。色彩もすごくアートな感じですし、国や環境に関係なく、いろんな人に受け入れてもらいやすいのかなと思います。Q.魚やクジラが泳いでいるところも描かれていて、観ていて涼しい気分になれる夏にピッタリな作品だと思います。ご自身の好きな海の生き物について教えてください。

鈴鹿:カメかな。この作品の中でも、2人の結婚式のシーンで、魚たちがみんな道路の上を飛んでいるのですが、カメだけすごくゆっくり道路を渡っていて。そういうのも可愛らしかったし、実際に海に潜ったことはないのですが、ウミガメと一緒に泳げるツアーなどもあるらしいので、僕もやってみたいです。あとは、祖父母の家が港町なので、よくタコ釣りをしていました。結構簡単に釣れるんですよ。

山田:私はイルカです。水族館でイルカショーがあると、きちんと時間を調べて見ていますし、小さい時にイルカに触れる体験をしたことがあります。イルカって、触り心地がナスみたいなんですよ(笑)。小学校の自由研究で書いた思い出もあって、イルカが好きです。
Q.SGSは10代から20代までの原宿系ファッションが好きな女の子たちが読者です。交際中の若いカップルにぜひ観てほしい作品だと思ったのですが、ドキッとさせられたシーンやキュンとしたシーンなど、注目してほしいシーンについて教えてください。

山田:ステファンとチャオが一緒に出かけたり、食事をしたり、2人が少しずつ距離を縮めていくシーンは観ていてワクワクするので、ぜひ観てもらえたらと思います。

鈴鹿:ステファンは最初、チャオに対して偏見でもないですが、相手の中身を知る前になんとなくこうだろうと判断してしまっています。ですが実際に話したり、その人が何かしていたりするのを見て、その人の性格や、こういう人なんだというのがわかっていくと「すごく素敵な人だな」と思うこともあると思います。そうやって、きちんとまっすぐその人を見つめるというか、すぐ判断するのではなく「この人ってどういう人なんだろう」とゆっくり見ていくのが大事だなと学びました。そうしたところに、ぜひ注目してほしいです。

Q.相手のことを、時間をかけて知っていくのが大事ということですね。ありがとうございました!

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[プロフィール]

鈴鹿央士
2000年1月11日生まれ、岡山県出身。
高校2年生の2016年に、エキストラとして参加していた映画の現場でスカウトされたことをきっかけに、2018年にはファッション誌「MEN’S NON-NO」のオーディションでグランプリを獲得し、専属モデルに抜擢。2019年に映画『蜜蜂と遠雷』でスクリーンデビューを飾ると、その後もドラマ『ドラゴン桜』(TBS/21年)や『silent』(CX/22年) 『花まんま』(25年)など映画・ドラマ問わず話題作に多数出演を果たす。映画『ドラえもん のび太の絵世界物語』(25年)ではゲスト声優を務めた。
2025年10月~11月、舞台『リア王』に出演予定。

山田杏奈
2001年1月8日生まれ、埼玉県出身。
2011年に『ちゃおガール2011★』オーディションでグランプリを受賞し、芸能界入り。その後は女優としてのキャリアもスタートさせ、2018年には映画『ミスミソウ』で初主演に抜擢。以降も映画『ひらいて』(21年)、『山女』(23年)やドラマに多数出演。『山女』では第15回TAMA 映画賞最優秀新進女優賞を受賞し、多彩な演技力が一躍注目を集める。映画『ゴールデンカムイ』(24年)や『正体』(24年)での好演により、日刊スポーツ映画大賞・助演女優賞、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。また、『正体』では日本アカデミー賞優秀助演女優賞も受賞している。
映画『恋に至る病』が10月24日(金)より公開予定。人間と人魚が共存する未来社会。
船舶をつくる会社で働くサラリーマンのステファンは、ある日突然、人魚王国のお姫さま・チャオに求婚される!! ステファンは訳も分からないまま、チャオと一緒に生活することに!? 純粋で真っすぐなチャオの愛情を受けて、ステファンは少しずつチャオに惹かれていく――。2人の恋の行方はどうなる!?
予告
Q.出演が決まった時のお気持ちを教えてください。鈴…
Q.お2人とも少し不安な気持ちもあったそうですが、収…
Q.演じる上で意識したことを教えてください。鈴鹿:…
Q.山田さんは擬音を意識して演じたそうですが、詳し…
Q.お2人は今回初対面だったのでしょうか?鈴鹿:以前…
Q.ステファンとチャオは、キャラクターとしてどんな…
Q.本作はアヌシー国際アニメーション映画祭2025でコ…
Q.魚やクジラが泳いでいるところも描かれていて、観…
Q.SGSは10代から20代までの原宿系ファッションが好き…
人間と人魚が共存する未来社会。船舶をつくる会社で…
映画概要
【ChaO(チャオ)】
全国公開中
声の出演:鈴⿅央⼠ ⼭⽥杏奈
シシド・カフカ 梅原裕⼀郎 / 三宅健太 / 太⽥駿静 ⼟屋アンナ
くっきー! ⼭⾥亮太
監督:⻘⽊康浩
キャラクターデザイン・総作画監督:⼩島⼤和
美術監督:滝⼝⽐呂志
⾳楽:村松崇継
アニメーション制作:STUDIO4°C
配給:東映

公式サイト:映画『ChaO(チャオ)』
公式X:@ChaOmovie
公式Instagram: @ChaOmovie

©2025「ChaO」製作委員会

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